呪術
陰陽師が使用する呪術は数多くあります。
その中でも有名なのが式神や護符ではないでしょうか
木の家系では代々、式神を操る事に長けております。
『式』は今で言う『方程式』などの式で、式盤から算出される『式=法則性』を理解し、決まった手順を踏むことで、決まった反応を示す神を召喚し
人形(ひとがた)に模した紙やものなどに、呪文を唱え息を吹きかけるなどの秘儀により、命を宿したり、調伏した鬼神などを召喚し、私たち陰陽師の意のままに使役するという呪術です。
他にも
・式神(しきがみ):人形に切った紙などに、呪文や息を吹きかけて行う秘儀
「式」は「用いる」の意であり、神自体の固有名詞ではありません。
命を宿したり、鬼神を召還して、それらを意のままに使役する呪術です。
素人がおふざけおこなうと、悪霊が憑き持ち主または家族に災いが起きるので正統な陰陽師以外は絶対におこなってはいけません。
・鬼門封じ(きもんふうじ):「鬼門」とされる東北(艮)の方角に神仏などを祀って「鬼」の出入りを封じます。
「鬼門」には「裏鬼門」に当たる南西(坤)の方角を司る「猿」を祀ったり、桃の木を植えたりして封じます。
また、 建物の東北に当たる角を凹ませるという手法も使われます。
・セーマンドーマン:陰陽道における代表的な呪術図形
セーマン:五芒星(万物の除災、清浄をもたらす霊的な結界を張ることを目的とします)
ドーマン:九字格子(臨・兵・闘・者・皆・陣・列・前・行の九字を表す)の魔除けです。
・人形(ひとかた、ひとがた) :紙や木材・草葉・藁などで人形を作り、呪詛をかける対象とします。
呪詛とは霊的な世界に働きかけることの意です。
悪用に使用すると呪い返しが来きます。
善用とは:人形に病や穢れを移して祓う、男女二体の人形を一つにして祈祷し恋愛成就を祈る など
悪用とは:対象を傷付けたり、呪殺したりする(ただし、悪用すると呪い返しが来るという)
・射腹蔵鈞の術(しゃふくぞうきんのじゅつ):物質の中身を見通したり、霊的存在や人の前世などを視る視覚術
「透視」や「霊視」に当たる能力です。
・呪禁(じゅごん):刀を持ちながら呪文を唱えます。
・禹歩(うほ):魔除けや清めの効果がある歩行術
「魔を祓い、地を鎮め、福を招く」ことを目的とし、九字を唱えながら行います。
道中の安全や悪鬼・猛獣などを避けることができるます。また、この術は神道の所作のルーツとも云われております。
・反閇(へんぱい):道教の歩行呪術を起源とする呪術的な歩行術・作法全般
歩行法の禹歩(上記記載)
刀禁呪:刀持ちながら呪文を唱え、符呪を切るという所作
心呪・浄身呪:心身を清める所作
浄天地呪:天地を清める所作
・穏形術(おんぎょうじゅつ):自分の姿を相手から見えなくする術
・符呪(ふじゅ):陰陽道の呪文を書いた霊符を使って行う呪術
呪詛や護身のために行われ、それらの符を総称して「霊符(れいふ)」と呼びます。
呪符(じゅふ):呪詛をかけるために用いられる符
護符(ごふ):身を守るための符
・埋鎮の皿(まいちんのさら):二枚の皿に神名や呪文を書いて神的な力を封じ込め、土中に埋める呪術
「神鎮め」や「邪気封じ」が行われます。
・厭物(まじもの):呪詛の掛けられた物品
主に人形が用いられますが、そのほかにも呪符、欠損のある物品、古物などを使用する事もあります。
・身固め(みがため):呪詛が掛かった人や衣類に対して、魔や穢れを祓って呪的な守護を行う呪術
– 禁止されている呪術 –
・犬神(いぬがみ):犬を使用した呪術
飢餓状態の犬の首を斬り、それを辻道に埋め、人々が頭上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使います。
広義に蠱術(こじゅつ)とも呼ばれ、特定の動物霊を使役する呪詛の一つです。
しかし 民間にも流布したとされており、平安期に禁止しさており、現在はおこなっておりません。
私は犬も猫も大好きですので、この術には理解に苦しみます。
・蠱毒(こどく):古代中国より伝わった虫を使った呪術
→ 蛇、百足、蛙などの百虫を同じ容器に入れて互いに共食いさせ、勝ち残った「蠱(こ)」を術の要として使う呪術です。
この術は現在陰陽師の中でも禁止されております。禁止されていなくとも私にはできません。
・猫鬼(びょうき):猫を使用した呪術
猫を使い、蠱毒と犬神を足したような作り方をします。(共食い → 首)
猫鬼が人を殺すと、殺された者の財産が猫鬼を養っている家に移ると云われる
私は犬も猫も大好きですので、この術には理解に苦しみます。頼まれてもおこないません。